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国宝根本中堂大改修 改修のあらまし

屋根の葺き替え

屋根瓦棒銅板葺「葺き替え」

根本中堂の屋根は、下地材である材木の上に銅板を屋根形状に合せて加工して止めています。
屋根面の銅板が切れたり、軒先の銅板がめくれるなどの破損が生じており、屋根全体の銅板葺の葺き替えを行いました。調査の結果、初めて銅板が施された寛政年間の銅板が見つかり、北面にて保存措置をとっています。

銅板ハゼ掛けの切れた状況
屋根瓦棒銅板葺「葺き替え」
軒先の銅板破損状況

屋根とち葺き「葺き替え」

廻廊の屋根は、とち葺きで厚さ2.4cm、長さ30cmの板を、8.5cmずつずらして止めています。
屋根全体に、板が割れたり、軒先が腐朽するなどの破損が見られるため、軒付を含めた屋根全面の葺き替えを行います。

屋根とち葺き板の割れの状況
軒付の腐朽の状況

塗装(ちゃん塗・丹塗・漆塗)

外部「ちゃん塗・丹塗の塗直し」

根本中堂、廻廊とも柱、頭貫(かしらぬき)より下部は「ちゃん塗り」、組物より上部は「丹塗」で塗り分けられています。
本事業での調査の結果、再建当初は「土朱塗り」と呼ばれる工法が用いられており、これは徳川幕府が特別に許可した建造物のみが許された工法でした。しかし、現在でも材料の入手が困難なため、本事業ではこれまで同様の「ちゃん塗り」で施工いたしますが、色合いは土朱塗りを再現し全体のイメージとしては再建当初に近くなっています。

丹塗とは・・・丹を膠水(にかわすい)で溶き、木部に塗る塗装方法。

ちゃん塗とは・・・丹塗の膠水の代りに、主に油〔根本中堂・廻廊の場合は荏の油(えのあぶら:荏胡麻の種子を圧搾して得る油)、桐油、松脂を混ぜたもの〕を用いる塗装。防腐、防水効果を期待したと考えられます。

根本中堂 背面(西側)の状況
根本中堂 南側面の状況
廻廊 正面の状況

根本中堂屋根「ちゃん塗」

根本中堂屋根銅板を解体、調査するなかで銅板葺きが採用された寛政年間の銅板が見つかり、黒ちゃん塗の痕跡が発見されました。今回の工事においても大きな発見であり、結果として屋根は黒く塗ることとなり、修理前とは雰囲気が大きく変わります。

根本中堂屋根「ちゃん塗」
古材 黒ちゃん塗 痕跡

外部「漆塗の塗直し」

根本中堂、廻廊とも、建具は黒漆が塗られていますが、特に外部に面する部分は、紫外線による劣化で白く変色しているため、これら黒漆の塗直しを行います。

根本中堂 正面建具黒漆の劣化状況
廻廊 側面建具黒漆の劣化状況(南側)

中陣・外陣「漆塗・丹塗の塗直し」

中陣と外陣は柱や内法長押(うちのりなげし)を朱漆塗、頭貫やそれより上の組物を丹塗、建具等を黒漆塗としています。
現状の塗装は主に前回の修理で塗り替えたものであり、煤等の汚れが付着したり、塗膜が剥落しているため、全面の塗直しを行います。

外陣の塗装の状況
中陣の塗装の状況

彩色の洗浄剥落止

中陣天井絵「洗浄剥落止め」

中陣の天井絵は、煤などの汚れで黒変しているほか、塗膜が剥落していますが、建立当初の彩色が残っていると考えられるため、汚れを可能な限り落して、古い塗膜を再度接着する、剥落止めを行います。

中陣の天井絵の状況
中陣の天井絵の状況

内陣中陣境 欄間彫刻

内陣と中陣の境にある欄間彫刻は、現在は煤や埃が表面に堆積しています。
今回の修理に先立ち一部の汚れを取り除いたところ、欄間彫刻については、何度か塗り直されている形跡が確認されました。
修理の時期や、当初の塗り分けなど、今後さらに詳細な調査を行い、修理方法を決定する予定です。

内陣・中陣境の欄間彫刻(正面)
A.欄間彫刻の汚損状況(埃除去前)
B.彩色の塗り重ねの状況

柱・軒廻り・床下の木部修理

柱修理

柱の足元が腐朽しているものや、柱の外周部分が破損しているものがあるため、傷んだ箇所のみ取り替える、根継ぎ修理や、矧木(はぎき)修理を行います。

柱足元の腐朽の状況
柱足元の腐朽の状況

軒廻り・床下修理

屋根の軒廻りは、経年により軒先に乱れが生じているほか、腐朽している部材もあります。
軒の乱れを補正し、腐朽箇所の繕い修理を行います。
床下は腐朽している床板や根太などの床組材の繕いまたは、取替修理を行います。

屋根軒先の乱れ
床板の腐朽

飾り金具の修理

飾り金具の修理

破損したり、欠失した飾金具を取り外して修理または新調します。
外部にある金具は経年により金箔や焼漆が剥がれてしまっているため、金箔の押し直しや焼漆のやり直しを行います。

根本中堂高欄笹金具
廻廊内法長押六葉金具