比叡山延暦寺は千年に及ぶ京都の文化的建築・都市・景観からなる「古都京都の文化財」の一つとして、平成6年(1994)12月5日、ユネスコ世界文化遺産に登録されました。本年は世界文化遺産の登録から30年目を迎える節目の年となります。
今から千二百年前、延暦13年(794)桓武天皇の御代に長岡京より都が遷され、中国の都城を模して平安京が造宮されました。そして延暦25年(806)正月26日、桓武天皇の手厚い庇護を受け、伝教大師最澄は比叡山を拠点として新たに天台法華宗(天台宗)を開きました。以来、延暦寺は平安京の鬼門(北東)を護る鎮護国家の道場として、あるいは日本仏教の一大聖地として、今日までその歴史を刻み続けてきました。
この特別展では、「古都京都の文化財」ユネスコ世界文化遺産30周年を記念して、延暦寺や周辺寺院に伝わる貴重な文化財の数々を、一堂に会して展観するというものです。繁栄と苦難の時を越え、守り続けられてきた仏さまをお参りしていただくと共に、比叡山並びに天台宗の仏教美術の魅力を感じとっていただければ幸いです。
展示期間
令和6年10月5日(土)~12月1日(日)(前後期で一部入れ替え)
前期:10月5日~10月30日
後期:11月2日~12月1日
※10月2~4日、10月31日~11月1日、12月2~4日は展示替えのため休館
会場
【通期】国宝 梵鐘(西塔宝幢院伝来)一口
天安2年(858)銘、佐川美術館
【通期】十一面観音立像 一躯
平安時代(12世紀)、滋賀・生源寺
【前期】国宝 金銅宝相華唐草文経箱 一合
平安時代 長元4年(1031)、滋賀・延暦寺
【後期】国宝 光定戒牒 嵯峨天皇筆 一巻
平安時代 弘仁14年(823)、滋賀・延暦寺
展示構成
ユネスコ世界文化遺産「古都京都の文化財」をテーマとして、京都の天台寺院・関係社寺から出陳(延暦寺関係)。かつて延暦寺にあった寺宝など(六道絵・釈迦金棺出現図・梵鐘など)。
(案)京都の天台寺院(五箇室門跡など交渉可能な作品)
文化遺産に登録されている社寺(平等院・仁和寺など)
- 最澄と比叡山の創建に関わる宝物
- 延暦寺伝来の由緒を持つ宝物(滋賀・京都の天台寺院に伝わる文化財)
- 勅封唐櫃の宝物(光定戒牒・桓武天皇像〈平安京の関係〉)
主な展示作品(予定)
書跡
- 国宝 天台法華宗年分縁起 伝教大師筆
- 国宝 伝教大師将来目録 伝教大師筆
- 国宝 光定戒牒 嵯峨天皇筆
- 国宝 伝教大師度縁案並僧綱牒(京都・来迎院)
- 重文 円仁自筆書状(京都・青蓮院)
絵画
- 桓武天皇像
- 伝教大師像(哭澄上人賛)
- 比叡山東塔図(京都国立博物館)
- 重文 山王宮曼荼羅(奈良国立博物館)
- 阿弥陀二十五菩薩来迎図(京都・三千院)
- 重文 高僧図像(京都・仁和寺)
彫刻
- 重文 薬師如来立像(滋賀・聖衆来迎寺)
- 十一面観音立像(滋賀・生源寺)
工芸
- 国宝 鍍金銀宝相華唐草文経箱
- 国宝 蒔絵経箱
- 国宝 梵鐘(佐川美術館) 西塔宝幢院伝来
- 2024.10.01