雄大な自然に恵まれた比叡山には、猿、鹿、猪など哺乳動物をはじめ、野鳥、虫といった生きものたちが数多く生息しています。太古の昔から、山や川、海など自然と共に生きてきた日本人にとって、動物たちは狩猟や家畜など極めて身近な存在でありました。例えば、縄文時代の土偶や古墳時代の埴輪をはじめ、様々な絵画・彫刻・工芸品などのモチーフとして動物が表現されてきました。さらに神社仏閣にある宗教美術においても、建造物の装飾彫刻や門前の狛犬、信仰の対象である神や仏の彫刻・絵画の中に動物たちが登場します。
本展覧会では、比叡山諸堂や関連寺院に伝わる絵画・彫刻・工芸などを中心に、動物に関連した寺宝を一堂に集め、動物たちが織り成す仏教の造形美を紹介します。仏教を通じて人と動物が歩んできた歴史と文化に触れていただくとともに、比叡山が誇る仏教美術の魅力を堪能していただく良い機会となれば幸いです。
展示期間
令和7年4月26日(土)~6月23日(月)(前後期で一部入れ替え)
前期:4月26日~5月22日
後期:5月24日~6月23日
(4月25日、5月23日、6月24日は展示替えのため休館)
会場
主要な作品
- (重美)普賢延命像 一幅、南北朝時代(14世紀)(後期)
- (重文)光明真言功徳絵詞 三巻のうち中巻、室町時代(14~15世紀)、葛川明王院(前期)
- 七猿之図 一幅、江戸時代(17世紀)(前期)
- 獅子・狛犬 一対、室町時代(15世紀)、葛川明王院(通期)
- 2025.04.30